データベースの長所
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　更新　2021/05/23(日)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　文責　炭本　治之

■データベースを使う理由
　　データベースのテーブルでデータを管理すると，いろいろと好都合です。

　　(1)データベースでは，テーブルのレコード数(行数)が100万でも1000万でも，
　　　瞬時に接続できて，待たされることがない。

　　(2)データベースでは，間違ったデータ，整合性のないデータをチェックする仕組みがある
　　　商品コードを主キーにすると，異なる商品に同一の商品コードを設定できません。

　　(4)データベースのテーブルに対してはSQLを使える
　　　特にSelect文は，VBAやC#でプログラミングするよりは，格段に簡単に命令を作成できる

　　(3)データベースでは，データが複雑になっても，比較的簡単に対応できる

■SQLのSelect文を使う例１
　　販売テーブル(t_sales)，商品マスタ(m_prod)に，前のエクセルと同じデータが登録されている場合，　　
　　2021年4月の販売金額合計を計算するSQLは次のようになります。

　　　　select sum(t.num * m.price) as sum_total
　　　　from   t_sales t
　　　　       inner join m_prod m
　　　　          on t.prod_cd = m.prod_cd
　　　　where  t.ymd between '2021/04/01' and '2021/04/30'

　　前のサイトのVBAマクロでは，だいたい30行くらいのソースコードを書いています。

　　SQLのSelect文では，上のように，わずか5行書くだけです。

■SQLのSelect文を使う例２
　　(1)2021年4月の売り上げで，商品ごとの販売額合計を一覧表示する。
　　　　select m.prod_name
　　　　      ,sum(t.num * m.price) as sum_t
　　　　from   t_sales t
　　　　       inner join m_prod m
　　　　          on t.prod_cd = m.prod_cd
　　　　where  t.ymd between '2021/04/01' and '2021/04/30'
　　　　group by
　　　　       m.prod_name

　　(2)2021年4月の売り上げで，商品ごとの販売額合計を，販売額の大きい順に一覧表示する。
　　　　select m.prod_name
　　　　      ,sum(t.num * m.price) as sum_t
　　　　from   t_sales t
　　　　       inner join m_prod m
　　　　          on t.prod_cd = m.prod_cd
　　　　where  t.ymd between '2021/04/01' and '2021/04/30'
　　　　group by
　　　　       m.prod_name
　　　　order by
　　　　       sum_t desc


　　(1)は，わずか8行の命令ですが，これをVBAでつくるとなると40行くらいは書くことになります。

　　(2)は，(1)に「販売額の大きい順に」が追加されただけですが，SQLでは2行追加になるだけです。
　　　VBAで並べ替えをするには10行くらいは書くことになります。

　　SQLを使うといかに楽にプログラムを書けることか！

　　この恩恵を知るとデータベース利用が必須になってしまいます。

■SQLが便利な理由
　　なぜ，このように簡単に結果を取得できるかと言うと，データベースが
　　次のような処理を実行しているからです。

　　データベースは，select命令を受け取ると，
　　　(1)select命令を分析して構文エラーを検査
　　　(2)select命令に対応するプログラムを自動的に生成し，
　　　(3)生成したプログラムを実行して，
　　　(4)結果を返す。

　　つまり，select文で「求めたい結果」を書くだけで，それに必要なプログラムは
　　データベースが自動的に用意します。

■データベースを利用する理由
　　(1)システム開発・保守が容易
　　　SQLを使えて，システム開発・保守の工数が圧倒的に少なくて済む

　　(2)拡張性
　　　データ量が100万件1000万件になっても安定してレスポンスよく利用できる

　　(3)信頼性
　　　不整合性なデータを登録させない仕組みがある

■データベース，エクセルの両方を利用するのが最善
　　(1)大量のデータ，複雑なデータを誤りなく管理する
　　　→データベースのテーブルで管理

　　(2)見積書，請求書，注文書などを作成する
　　　→エクセルで作成して印刷する

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