エクセルの長所
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　更新　2021/05/23(日)
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　文責　炭本　治之
■エクセルの長所
　　(1)エクセルは「表形式のデータ」を記録できる
　　　毎月の勤務表は，エクセルで作って提出するのが一般的でしょう。

　　　

　　　他に，見積書，請求書，注文書，学校の先生が作るテスト結果一覧などもエクセルで
　　　作成するのが最も楽です。

　　　経過時間，小計，全体合計なども簡単に表示させることができます。
　　　並べ替え，フィルターをかけての表示も簡単です。

　　(2)VBAマクロの機能が豊富
　　　表計算だけなら，OpenOfficeなど，無料で利用できる表計算ソフトがあります。

　　　しかし，それらのソフトでは，エクセルのVBAマクロに匹敵する機能がありません。

　　　他の表計算は，マクロの機能が貧弱なために，エクセルに比べると使える範囲が大幅に　　
　　　限定されてしまいます。

■エクセルを使って販売管理をする例
　　下のエクセルファイルは，販売管理のファイルの例です。

    

　　「販売テーブル」の行番号2のレコードは，次の情報を示します。
　　　2021/04/02の1番目に売れた商品は，商品コード00001の商品で，それが2個売れた

　　商品コード00001の商品は，下の「商品マスタ」に記録されています。
　　「マスク20枚入り」で単価は800円とあります。

    

■VBAマクロでプログラムを作る例
　　さて，このエクセルファイルのデータから，次のプログラムを作成してみます。

　　「利用者が年月を指定すると，その年月の販売金額合計を計算して表示」するプログラム

　　Public Sub CalcMonthlySum()
　　'概要：指定年月の販売金額合計を表示

　　    Dim strYM As String
　　    strYM = InputBox("年月を指定してください。", "年月指定", "2021/04", 100, 50)
　　    
　　    Dim i        As Long
　　    Dim ProdCD   As String
　　    Dim Cnt      As Long
　　    Dim SumRec   As Long
　　    Dim SumTotal As Long
　　    
　　    i = 2
　　    SumTotal = 0
　　    Do
　　        If ThisWorkbook.Sheets(1).Cells(i, 1) = "" Then 'レコードがない場合
　　            Exit Do '処理を抜ける
　　        End If
　　        
　　        ProdCD = ThisWorkbook.Sheets(1).Cells(i, 3) '商品コード
　　        Cnt = ThisWorkbook.Sheets(1).Cells(i, 4) '数
　　        SumRec = GetSum(ProdCD, Cnt)
　　        SumTotal = SumTotal + SumRec
　　        i = i + 1
　　    Loop
　　    MsgBox strYM & "の販売金額合計＝" & CStr(SumTotal)
　　    
　　End Sub

　　Private Function GetSum(pProdCD As String, pCnt As Long) As Long
　　'概要：商品マスタを参照して，商品コードと数から販売金額を計算して返す

　　    Dim i As Long
　　    i = 2
　　    Do
　　        If ThisWorkbook.Sheets(2).Cells(i, 1) = "" Then 'レコードがない場合
　　            Exit Do '処理を抜ける
　　        End If

　　        If ThisWorkbook.Sheets(2).Cells(i, 1) = pProdCD Then
　　            GetSum = CLng(ThisWorkbook.Sheets(2).Cells(i, 5)) * pCnt
　　            Exit Function
　　        End If
　　        i = i + 1
　　    Loop
　　    
　　    MsgBox "商品マスタにないコードが使われています:" & pProdCD
　　    
　　End Function

　　メニューバーでツール，マクロを選択し，上のCalcMonthlySumをクリックすると，
　　ダイアログが表示されます。

　　ダイアログで2021/04を入力すると，別のダイアログで2021/04の合計販売額が表示されます。

　　上の関数の金額合計をする部分は，
　　　CalcMonthlySumでは，Dim i As Longの行から，MsgBoxの行まで
　　　GetSumでは，この関数全体
　　で，合計計算だけでだいたい30行くらいのソースコードになっています。(空白行は除く)

　　他にも，
　　　どの曜日が最も販売金額が大きいか，
　　　どの商品が最も販売金額が多いか，
　　など，いろいろな計算をマクロで作成できます。

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