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 不要検査詐欺

                                   更新 2022/05/23(月)                                      (C)文責 炭本 治之   休日診療で受診した耳鼻科は,少し遠く,待ち時間が1時間半くらいで長かった。   そこで近くの待ち時間の短そうな耳鼻科をしたら,無効な抗生剤を処方し,架空請求。   そこで,第3の耳鼻科を受診した。   そしてまたしても,だまされた。

 ■今まで体験したことのない検査が実施された

  訴えた症状は,鼻水が2週間も長引いている。   依頼したのは,抗生剤の処方。   医師は,レントゲン検査をすると言ってきた。   レントゲン検査とは,顔面の骨の中の副鼻腔を撮影する検査。   副鼻腔に膿が蓄積していれば,その膿がうっすらと白い影になって撮影される。   症状は「鼻水」であって,副鼻腔に膿が蓄積しているほどの重い症状ではない。   私はただちに,    「レントゲン検査は断ります」   すると,医師は,見慣れない器具を手に持った。   乾燥スパゲッティ状のプラスチック製の細長いものが先端についた器具だった。   それは何かと問うと,医師は,    「これで検査することが必要だ。」   医師は,プラスチック製の細長い部分を右の鼻の中に30秒から1分くらい差し込んでいた。   次に,左の鼻の中に30秒くらい差し込んでいた。   器具を用いての検査はそれで終わり。   検査結果については医師は何も言わなかった。   医師は,ネブライザーを使うように指示した。   私は,それを断った。   ネブライザーで鼻の中に薬剤を噴霧するのは,私は中学生のときに多数経験がある。   しかしネブライザーが病気の治療に役立ったと実感したことはない。   よほど重症の人には効果があるかも知れないが,軽症であれば効果はないと思う。      なぜなら,鼻水は常に出ていて,鼻の中の異物を洗い流している。   ネブライザーで薬液を鼻に噴霧しても,ティッシュで鼻をかめば,薬液は排出される。   (更に,そのように医師に反論しても,医師はきちんとした説明を返したことがない。)

 ■高額な診療費が請求された

  会計で請求された金額を見て驚いた。   普通は,耳鼻科での請求額は,初診の場合はだいたい1000円くらい。   この耳鼻科での請求額は,その3倍近い2890円。       なぜこんなに高いのかと会計で抗議したら,    「検査をしたからだ」   ファイバースコープの検査をしたらこの金額になると言われた。

 ■うかつにも請求額をそのまま全額支払った

  そのときの私は,長期間の運動不足で筋力が低下。   状況の理解力も,判断力も,意志力も弱かった。   だから,反論できなかったし,支払を断る決断もできなかった。   この医師も,私のことを「だませる奴」と見抜いていたのだろう。

 ■振り返ってみると

  (1)そもそもファイバースコープでの検査は不要    当時の症状は,鼻水(鼻炎)であって,副鼻腔炎の症状があったわけではない。    私は医師に,副鼻腔炎の検査や診断を依頼していない。    依頼したのは,抗生剤の処方。    抗生剤を処方するのに,副鼻腔炎の有無を検査する必要はない。    鼻腔と副鼻腔とは細い管でつながっている。    鼻炎の原因菌と副鼻腔炎の原因菌とは同一。    鼻炎に効果のある抗生剤は,副鼻腔炎にも効果がある。    よって副鼻腔炎の有無を検査する医学的理由はない。   (2)医師は,不要な検査を「必要」と言ってだました    人をだましてお金を支払わせるのは,刑法246条詐欺罪に該当する。   (3)金額がおかしいと思ったのだから,支払を保留にすべきだった。    「家に帰ってよく調べてこの請求に納得したら支払います。」    「それでいいですね。」 (終わり) ページの先頭へ