副腎皮質ステロイド
更新 2021/06/01(火)
(C)文責 炭本 治之
■作用のしくみ
ある細胞がヒスタミンのような化学伝達物質を分泌すると，
別の細胞が，その化学伝達物質を受容体で認識して，様々な反応を起こす。
このように，化学伝達物質を使った細胞間の通信が行われている。
副腎皮質ホルモン(ステロイド)は，化学伝達物質として作用し様々な炎症反応を抑制する。
人工的に合成した副腎皮質ステロイドは，副腎皮質ホルモンと同じ作用を示す。
全般的に炎症を抑える効果がある
アレルギーの症状である目の腫れ，頭痛，寝付けない，鼻炎，喘息，皮膚炎など，
全般的な炎症抑制効果がある。
抗ヒスタミン剤のように眠気が生じることがない。
■副作用
長年使用すると，筋力低下，頻尿，白内障の誘発など様々な副作用が起きる。
Googleで「副腎皮質 ステロイド 副作用」で検索すると，いろいろな症状がヒットする。
■私の体験
グラクソスミスクライン社の「フルタイド」を長年毎晩就寝前に吸引していた。
吸引すると確かによく眠れた。
この粉末は気管支・肺に吸引して，気管支だけに作用するので，副作用が起きにくい，
と考えられていた。
しかし，長年使用していたら，やはり副作用が起きた。
筋力が低下し，頻尿の傾向が出てきた。
私は20代の頃は腹筋連続100回ができた。腹筋連続700回の記録もあった。
フルタイドを10年以上吸引していたら，腹筋は最大で連続26回までしかできなくなった。
私にとって，
抗ヒスタミン剤は「頭が悪くなる薬」
副腎皮質ステロイドは「体をどんどん劣化させる薬」
「フルタイド」使用を廃止して2ヶ月経過すると，
・腹筋は連続40回できるまでに回復した。
・山登りのタイムも向上した。
・尿の回数も半減し，尿意が起きても３０分は我慢できるようになった。
■筋力の記録が必要
副腎皮質ステロイドを使用している人は，自分の筋力を，腹筋や山登りなどで，
定期的に検査した方がいい。
そのための「筋トレ記録」ソフトを私はフリーソフトで公開している。
筋力が低下し，頻尿の傾向が出てきたら，副腎皮質ステロイドは廃止したほうがいい。
■強い症状が出たときの薬
副腎皮質ステロイドは強力なので「強い炎症作用が出たとき」に限って使用するのがいいと思う。
毎日服用すべきではない。
(終わり) ページの先頭へ
|